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トップシェア商品をいくつも抱え、圧倒的な収益力を誇る電子部品業界の「勝ち組」。スマートフォンと車載をクルマの両輪に売上高2兆円を目指す。創業家出身の3代目は、自らの役割をどう位置付けているのか。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=山本 尚侍)
PROFILE

村田 恒夫[むらた・つねお]氏
村田製作所の創業者、故・村田昭氏の3男として1951年に京都府で生まれる。同志社大学経済学部卒業後、74年3月に村田製作所入社。ドイツ現地法人社長などを経て、89年に取締役。2003年副社長、07年に3代目社長に就任。17年から現職。2代目社長の故・村田泰隆氏は実兄。趣味は写真撮影。大のワイン好き。

米中貿易摩擦が深刻化しています。村田製作所の今期の業績にどう影響すると見ていますか。

 中国から米国に直接輸出される部品は非常に少ないので、電子部品への関税という点では影響はほぼありません。ただ、両国が関税率を上げると経済がスローダウンしてしまう可能性はあります。消費行動が冷え込んでしまえば、間接的な影響を受けそうです。

日本電産の永守重信会長兼CEO(最高経営責任者)は、昨年末に中国需要が「尋常でないほど落ち込んだ」と語っていました。今期に入り、中国での需要はどう変化していますか。

 我々の部品はコンデンサーを筆頭に汎用部品が多いので、特定の業界の需要変動に左右されにくい。永守さんのところは、アプリケーションスペシフィック(特定用途)な部品なので急ブレーキが必要だったのでしょう。

2019年3月期は純利益が2069億円と過去最高を更新した一方で、今期は18%の減益を見込んでいます。相当堅い数字のような気がします。

 証券アナリストたちの書きぶりは「超保守的」だと。そういう見方もあると思いますが、流通在庫が多く、顧客も製品在庫を抱えていますので、上期はそれらの解消にやや時間がかかるとみています。ただ、我々が得意な市場はシュリンクしておらず、在庫が解消されれば注文も増えてくるでしょう。さらに5Gやクルマの電動化など右肩上がりで成長していく要素も多いです。

日経ビジネス2019年6月3日号 48~51ページより目次