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就任直後に発覚した品質問題を乗り越え、業績をV字回復させた。全国の店舗を行脚して顧客の声を聞き、店舗や組織の改革につなげている。次なる一手、未来型店舗は中長期の成長につながるだろうか。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=陶山 勉)
PROFILE

サラ L. カサノバ[Sarah L.Casanova]氏
1965年カナダ生まれ。90年、カナダのマックマスター大学大学院経営修士課程を修了し、91年にマクドナルドカナダに入社。その後、ロシアでマーケティングを担当した。2004年、日本マクドナルドのマーケティング本部長、07年に同事業推進本部長。09年以降マレーシアやシンガポールで勤務し、13年8月に事業子会社の日本マクドナルド社長兼CEO(最高経営責任者)に就任。14年3月から現職である持ち株会社のトップを務める。兼務していた事業子会社の社長職は19年3月に降りて会長に就いた。

5年前のトップ就任直後、調達先で期限切れの鶏肉を使用した問題が発覚しました。その翌年は過去最大の赤字でしたが、3年で業績はV字回復を果たしています。何が変わったのでしょうか。

 マクドナルドにお客様が何を求めているのかを徹底的に聞くようにしました。消費者調査をやり直し、私自身も47都道府県を訪ね、合計で350人のお客様に意見を聞いて回りました。「元のマクドナルドに戻ってほしい」という声が多かった。おいしくてお得感があって、店舗は清潔でモダンで、素敵なスマイルがある。そんな楽しい場所であってほしいと繰り返し言われました。