全4595文字

経済界きっての論客として知られるが、4月末をもって財界活動から身を引く。まもなく幕を閉じる平成は、日本にとって「敗北と挫折の30年だった」と厳しく評価する。経済と企業が進むべき針路について「小林節」を聞いた。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE

小林 喜光[こばやし・よしみつ]氏
1971年東京大学大学院修了。イスラエルのヘブライ大学などを経て74年三菱化成工業(現・三菱ケミカル)入社。2007年4月三菱ケミカルホールディングス社長、15年会長。同じタイミングで経済同友会の代表幹事に就任し、この4月の通常総会をもって任期満了で退く。政府の未来投資会議などの民間議員なども務める。15年9月から東芝の社外取締役を務め、現在は取締役会議長。

あと1カ月で平成が終わります。経済の面で平成を総括するとどのような30年だったと考えればいいのでしょうか。

 先日、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長が日本に来ていたので会談しました。シュワブ氏は「日本も少し自信をつけてきた」という言い方をしていましたね。安倍晋三首相と自民・公明両党が政権の座に返り咲いて6年余り。悲観論があふれていた旧民主党政権時代と比べると、「そこそこの成長はできている」という反応でした。