藤田俊雄が率いるスーパーマーケットチェーン、フジタヨーシュウ堂は大胆な業務改革を断行し、バブルの崩壊で他社が大きな打撃を受ける中でも、着実に歩んでいた。だが、ある時、古参社員で監査役の森本保夫が総会屋に大金を渡した罪で、他の幹部社員らとともに逮捕される。さらに妻、小百合も事情聴取を受ける。正直な商売を心がけてきた俊雄は突然の事件に驚き、動揺する。
「保夫を責めることはできないな。私に報告できなかったというのは、やはり風通しが悪くなっていたのだろうか」
「それは違うと思う。保夫さんは、自分で問題を解決したかったのよ。あなたに迷惑をかけないようにね。本当に忠実なの」
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