前回までのあらすじ

 1990年に入ると、株価や地価は大きく値を下げた。土地を担保に巨額の借り入れをしていたスーパーサカエやセイヨーにとっては逆風であり、銀行は巨額の不良債権を抱えた。米国では、アーリーバードを運営するサウスカントリー社が経営の多角化に失敗し、不振に陥っていた。フジタヨーシュウ堂専務の大木将史はサウスカントリー社の買収を提案するが、社長の藤田俊雄は反対だった。

(前回を読むには、こちらをクリックしてください)

 「どういう意味ですか」

 「まったく考え方が違うということです。私だって支援したい。しかしオーナーである私は、何があってもこの会社を守らねばならないんです。2250億円もの負債をしょい込んだら、私たちも共倒れです。あなたはフジタヨーシュウ堂グループを大事に思わないのですか」

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4899文字 / 全文5326文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題