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前回までのあらすじ

 コンビニエンスストア「アーリーバード」を展開するスーパーマーケット大手のフジタヨーシュウ堂は、社長である藤田俊雄の指揮の下、一貫して拡大を続けてきたが、中間期決算で減益に陥る。専務の大木将史は、業務改革に乗り出した。そんな中、スーパー最大手のスーパーサカエを率いる仲村力也が旧知の仲である俊雄を訪ねてきた。2人は終戦時の出会いを振り返る。

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 焼け跡に2人で立っていた。仲村は、俊雄が渡した配給のタバコ、朝日をくゆらせている。白いタバコの煙がたなびいている。まさかあの時の2人が小売業で覇を競い合うことになるとは思わなかった。

 「そうですね。私は仲村さんの跡を追って来ただけです。あの時、朝日を差し上げたら、人が良いと、この焼け跡では生き抜けないという意味のことを言われましたね。仲村さんは大胆に大股で歩かれています。私は、一歩、一歩です」