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前回までのあらすじ

 大日本の小売業界の常識に挑んだコンビニエンスストア「アーリーバード」は急速に店舗網を築き、売り上げを伸ばしていった。一方で、親会社のフジタヨーシュウ堂は中間期決算で初の減益となった。コンビニ事業を推進してきた専務の大木将史は、フジタヨーシュウ堂の店を訪れ、不良在庫がたまっていることに気づく。そのことを指摘された社長の藤田俊雄は苦悩していた。

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 「どうしたの、機嫌が悪いのね」

 夕食の席で妻の小百合が呟いた。

 「ああ、相当、悪い。あの大木がフジタヨーシュウ堂が経営危機だと言い出した。中間決算で少し減益となったのだが、それを在庫の問題だとか、構造的な問題だと言うんだ。根本的に変えないといけないとね」