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前回までのあらすじ

 大手スーパーマーケット、フジタヨーシュウ堂が始めたコンビニエンスストア「アーリーバード」は急速に拡大し、7年目にして1000店舗を超えるまでになった。専務である大木将史のもと、アーリーバードはメーカーの枠を超えた共同配送や、自主的な商品開発など、小売業界の常識を覆す挑戦を成功させていった。一方、フジタヨーシュウ堂のライバル、スーパーサカエは売り上げ1兆円を達成した。

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 1980年(昭和55年)、スーパーサカエは売上高1兆円を達成した。社長の仲村力也がくす玉を割ると、紅白、金銀の紙吹雪が舞い、「昭和六〇年サカエグループ売上高目標!四兆円」の文字が書かれた垂れ幕が現れた。仲村はやや汗ばみ、紅潮した顔で「グループ売上高4兆円に向かって進軍だ!」と叫ぶ。

 しかし、仲村は喜びの中で焦っていた。売上高ではフジタヨーシュウ堂を圧倒したが、利益では数十億円もの差をつけられ、完膚なきまでの敗北を喫しているからだ。