前回までのあらすじ

 大手スーパーマーケット、フジタヨーシュウ堂が始めたコンビニエンスストア、アーリーバードは急速な成長を遂げ、わずか3年で100店に達した。その陰には、周囲の反対を押し切り、事業展開を推し進めてきたフジタヨーシュウ堂専務、大木将史の奮闘があった。少量多品種の品揃えを実現させるため、アーリーバードは問屋に小分け配送を依頼。それは小売業の常識を覆す挑戦でもあった。

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 トップが的確な指示を与えられなければ、部下は正確な情報を上げてはこない。この事実を多くの経営者は忘れている。歴史のある企業の経営者は特にそうだ。明確な指示を与えられず、部下が失敗したら責任回避に終始するトップに、部下は正確な情報を上げることはない。

 将史は社員に言う。

 「世の中はものすごい勢いで変化している。その変化に対応して進むべき道は幾つもある。人々は迷うだろう。どの道を選ぶべきか。その道を選び、進めと責任をもって号令をかけるのがトップの責任である」

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