星野リゾートの新しい教科書

[画像のクリックで拡大表示]

最近はどんな本を教科書にしているのでしょうか。

 一つがダン・アリエリー氏の『予想どおりに不合理──行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』です。消費者が「常識」だけで購買行動を選択するわけではなく、不合理な選択もしていることを証明しており、非常に興味深いと思います。

 星野リゾートは最近オンライン予約の促進に力を入れ、「どういう表示をしたら、さらに予約してもらえるか」を考えています。いろいろやってみると、どうも顧客は合理的な判断をしないことがあるようです。その背景にある心理を同書から学びたいと考え、社内のマーケティングチームと内容を共有しています。

 インターネット関連では、シーナ・アイエンガー氏の『選択の科学』も少し前から教科書にしています。同書から学んでいるのは「どうしたら選んでもらいやすくなるか」です。多様な選択肢は消費者にとってよいと思われてきたのですが、そうではないのです。例えば「全施設から行きたいところを選んでください」と伝えても混乱します。むしろ、「あなたに合っているのはこの施設とこの施設です」と伝えたほうが選びやすいのです。

 3冊目がブランディングについて。最近はデビッド・テイラー氏の『ブランド・ストレッチ──6つのステップで高めるブランド価値』を教科書にしています。運営する施設数が増えてきた中、星野リゾートではこれまで培ってきたブランドを傷つけることなくそれを拡張することが重要です。施設名はこれまで社名の「星野リゾート」を入れてきましたが、同書の理論を生かし、最近は施設名から社名を外し、温泉旅館の「界」などサブブランドを中心にしたブランド戦略に切り替えています。

社員向けには経営書のほか、実務書も推薦する
●星野リゾートが新たに加わる社員に薦める本
<span class="fontSizeL">社員向けには経営書のほか、実務書も推薦する</span><br><span class="fontSizeS">●星野リゾートが新たに加わる社員に薦める本</span>
出所:星野リゾートが作成するリストから抜粋。数字は社員に薦めるジャンルごとの順番
[画像のクリックで拡大表示]

次ページ エレコム 葉田 順治 会長ポーター理論で改革選択と集中で黒字化