新型コロナウイルスの感染拡大により、逆風にさらされる集客施設。大々的に人を呼べないという制約の中、発想力で逆風をはね返す新星が現れ始めている。共通するのは、カテゴリーを絞ることで「顔」をつくり、これまでにない世界観を表現するアプローチだ。

<span class="fontBold">1960年代の日本をテーマに生まれ変わった「西武園ゆうえんち」。エントランスの先に昭和の商店街が広がる</span>
1960年代の日本をテーマに生まれ変わった「西武園ゆうえんち」。エントランスの先に昭和の商店街が広がる

 「相澤寫眞館」で記念撮影し、「肉のおほみ」でクロケットを頬張る。「喫茶ビクトリヤ」で名物のクリイムソーダを堪能。街頭テレビでは、東京~大阪を結ぶ東海道新幹線の開通を祝し、「夢の超特急」と報じていた。

 これは、遠い昔の記憶ではない。今まさに体感できる最新スポットである。今年5月19日。西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)がリニューアルオープンに合わせて建設したのは「夕日の丘商店街」。エントランスを抜けてすぐ、全長150mのアーケードに歴史を感じさせる商店が連なり、1960年代の日本にタイムスリップできる。

 BGMは、美空ひばりや石原裕次郎、植木等のヒット曲。たばこ屋の軒先にはダイヤル式の赤電話があり、郵便局員は帽子にがま口かばんのスタイルだった。よく見ると、看板も緑瓶のスプライトが描かれているなど、懐かしい。

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