食品スーパーの店内で、レタスなどの野菜を栽培し、直販する動きが広がっている。西友は植物工場をテナントとして迎え、サミットや紀ノ国屋は食品売り場に専用の栽培キットを置く。店で育て、店で売る。消費者の目を引き、コストも下げる両取りのビジネスモデルが花開くかもしれない。

 そのレタスは、ただのレタスではなかった。

 「5F店内農場で栽培、摘みたて販売中」。東京都品川区の西友大森店で見かけたのは、東京育ちどころか、店内育ちのレタス「グリーンリーフ」だった。使い切りサイズで、値段は1袋147円(税込み)である。

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地産地消→店産店消

 店内農場があるという5階に上がると、レストランフロアの一区画で、青々としたレタスが大きく葉を広げていた。ガラス越しに栽培風景が見える。水深1cm程度の液体肥料とLED(発光ダイオード)を使った水耕栽培で、種まきから収穫まで35日間。毎日が「晴れ」なので、通常の露地栽培の半分の時間ですくすくと育つ。収穫して袋詰めし、地下1階の食品売り場に持ち込むだけなので、輸送費はかからない。究極の地産地消である「店産店消」を地でいく取り組みだ。

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 「本当にみずみずしいんですよ」。西友ディベロップメントセンター本部の由佐奈穂子バイスプレジデントは、そう太鼓判を押す。採れたてだから何より新鮮だ。天候に左右されず、1年を通じて安定供給できるメリットもある。水耕栽培のため無農薬で、虫も土もついていない。「洗わず、ちぎってさっと食べられ、時短ニーズにもあった商品だと思っている。新型コロナウイルスの影響で、試食販売ができない中でも、リピーターの方々が徐々に増えている」(由佐氏)という。

 この“レタス農場”は店内の空きスペースを活用して2021年3月に開設した。プランツラボラトリー(東京・中央)と組み、同社が東京大学との共同研究で開発した「PUTFARM(プットファーム)」という植物工場システムを、そのままはめこんだのだ。

続きを読む 2/4 顔が見える野菜への評価

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