倉貫:もう一つのマイナス現象はリモート組の「後ろめたさ問題」です。

 「やってもいいよ」という単なる働き方の選択肢としてリモートワークが始まると、たいていはリモート組は少数派となり、いろいろな面で遠慮する。ちょっとした不便を言い出すのをためらったり、議論に積極的に加わる気持ちがしぼんでしまったり。

仲山:「全員リアルに集まってはいけない」という制約があるほうが、コミュニケーションの工夫が生まれやすいですよね。

<span class="fontBold">楽天の楽天大学学長の仲山進也氏。チームビルディングが専門の1つ</span>
楽天の楽天大学学長の仲山進也氏。チームビルディングが専門の1つ

 僕のチームビルディングプログラムでは、みんなで1つのアクティビティーに取り組むことで試行錯誤しながらチームワークを確立していくプロセスを体験してもらっています。今回の新型コロナ対応は、いわばみんなで「リモートワーク導入アクティビティー」をやっている。「出社組」と「リモート組」に分かれ、かつ「出社組は従来のやり方を変えるつもりがない」という前提だとしたら、全体として1つのチームにはなれません。

 まずは「全員リモートで働きながら、今までと遜色ない成果を出すこと」というお題を設計するほうが、断然うまくいきやすくなります。

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