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ミレニアル世代の次の時代を支える、1990年代後半以降に生まれた「Z世代」。物心ついた時からスマホがあり、SNSや動画による独特の情報発信と拡散力を持つ。流行や消費の新たな担い手として、企業も新たな関係作りが欠かせなくなっている。

 東京・渋谷にある「SHIBUYA109」の8階。人気モデル、藤田ニコルさんのグッズやタピオカ飲料の販売店の横に、教室ほどの大きさの白いタイル張りのスタジオが設けられている。

 夕方になるとスタジオには10代に人気のあるモデルらが集まり、ライブ動画配信サービス「LINEライブ」の番組を撮影している。動画上には次々と「××ちゃん、かわいい」などリアルタイムでのコメントが付いていく。

SHIBUYA109のスタジオで収録するZ世代向けの番組はリアルタイムで配信され、アプリ上では次々と若者たちからのコメントが付く

 10代向けサービスを展開する超十代(東京・渋谷)と、SHIBUYA109エンタテイメント(東京・渋谷)、セガエンタテインメント(東京・太田)が10代を中心とした若者層、いわゆる「Z世代」向けに視聴者や観覧者が参加できるコンテンツを制作しようと2019年11月にオープンしたスタジオだ。スタジオの横を店舗にもできるため、番組中に紹介したファッションアイテムをその場で販売することも可能だ。

 スタジオで観覧する若者たちは片手にスマートフォンを握り、収録の様子をSNS(交流サイト)で投稿しても構わない。動画は写真共有サイト「インスタグラム」やツイッターを通じ、次々と拡散されていく。

 このスタジオに集まった出演者の多くは、SNSが生んだ「インフルエンサー」と呼ばれる人たち。その中の一人が、ひかりんちょさん(16)だ。

日経ビジネス2020年1月13日号 52~56ページより目次