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2018年に日本語版『ティール組織』が出版され、次世代の組織運営モデルとして注目を浴びている。日本では8万部以上を売り上げ、世界でも異例の人気を誇っている。「ティール組織」はなぜこれほど注目を集めているのか。読者とともに取材した。

2018年1月に出版された日本語版『ティール組織』(英治出版)。ティール組織の教科書的な存在として人気を集め、売上部数は8万部を突破した(写真=竹井 俊晴)

 「組織は生命体。組織自身が何をしたいと思っているのか、耳を澄ませて」

 9月14日、東京工業大学の講堂は熱狂に包まれていた。500人ほどのビジネスパーソンらが、壇上で熱弁を振るう男性の哲学的な言葉に聞き入っている。フレデリック・ラルー氏。米マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の元経営コンサルタントだ。2018年1月に日本語版が出版された書籍『ティール組織』(英治出版)の著者である。

 このイベントは、初来日したラルー氏が『ティール組織』の要諦を自身の言葉で直接語りかけるというもの。全世界40万部以上の売り上げのうち、8万部が日本で売れた。1万5000円以上もするイベントチケットは完売した。

組織の進化
出所:『ティール組織』(英治出版)を基に編集部で作成

 ラルー氏の書籍を開くと、最初に色分けされたチャートが出てくる(右の図)。人類誕生から現在までの「組織の進化」を色分けしたものだ。軍隊のような規律で統率する階層型組織の「アンバー(赤みがかった黄色)=順応型」、業績の達成度などを評価する現代の企業組織の「オレンジ=達成型」、平等と多様性を重視するNPO(非営利組織)などの「グリーン=多元型」、最後が「ティール=進化型」だ。

 ティールとは緑と青の中間色である。ラルー氏によると、ティール組織は今日の世界で最も進化した組織形態というわけだ。なぜ、ティール組織がこれほどまでに一部のビジネスパーソンから注目を浴びているのか。そして、ティール組織とはどのようなものなのか。

 そんな疑問から、日経ビジネスは読者参加型の「オープン編集会議」プロジェクトを実施。ティール組織に関心を持つ読者を公募し、取材や編集会議、日経ビジネス電子版のディスカッション空間「Raise」に参加してもらった。

日経ビジネス2019年10月28日号 58~62ページより目次