対面軽視の新世代に危機感
<div class="fontBold"><span class=" fontSizeL">小川 嶺</span>氏<br />タイミー代表取締役</div>(写真=藤村 豪)
小川 嶺
タイミー代表取締役
(写真=藤村 豪)

 いま、最も興味があることはなにかと問われれば、幼児教育だ。少子高齢化が進む中で、高齢者を支えていかなければならないのは自分も含めた若者たち。若い世代は今後、それぞれが「強い個人」にならなければならない。

 待機児童の問題は根深い問題として捉えている。今後、共働き世帯が増えるなかで、教育に力を入れられない家庭が増えていくのではと危惧している。

 明確な解決策を持ち合わせているわけではない。だが、この社会的な課題解決につながるサービスを現在、開発中だ。保育士の経験を持ち、いまは就業していない潜在保育士が日本には80万人いるといわれている。人手が足りない保育園施設と潜在保育士をマッチングするプラットフォームを作れればと考えている。親が直接子供を育てることが難しくなる近い将来、第三者に頼るという選択肢は今以上に大事になってくるだろう。

 今の若い人たちを生まれたときからスマホに接している「スマホネーティブ世代」と呼ぶならば、この先に生まれてくる人たちは間違いなく今とは異なる価値観を持った世代だ。自分たちの世代も含めて、新しい世代は対面でのコミュニケーションを軽視しがちで、この能力が低下することによる悪影響を危惧している。全てをオンラインで完結させようとすればするほど、オフラインでのコミュニケーション能力は低下する。対面でのコミュニケーション能力をいかに育てていくかは、いまから真剣に議論したほうがよいテーマだと感じている。

 今後、働き方の多様化は間違いなく進む。企業と従業員の関係も変わらざるを得ない。企業はこうした流れにあらがうのではなく、波を生かす考えにシフトする必要がある。「働くとはどういうことか」という根源的な議論も広がるだろう。お金を稼ぐために働くだけでなく、経験を得るためにお金を払ってでも働くというケースも出てくるはずだ。

 「#05:タイミー小川嶺氏/18歳でビジネスを始めた理由は?」から

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