対策に世論の反発も

 ただし、実現のハードルは高かった。接続事業者がすべての利用者がどのサイトにアクセスしようとしているのかを把握する必要がある。こうなると、憲法が認める「通信の秘密」が守れなくなる。接続事業者や有識者からの反対意見が相次ぎ、政府は関連法案の提出を見送らざるを得なくなった。

 政府は海賊版対策として、違法ダウンロードに対する規制強化も検討した。18年10月に文化庁の審議会で議論を始め、違法ダウンロードの規制対象を従来の音楽と映像から、漫画や雑誌、論文、アニメ、写真などの静止画を含んだ「著作物全般」に広げるよう著作権法を改正する案を取りまとめた。

 だが、動画に比べて論文や静止画をダウンロードする機会は日常生活でも多く、「日々のネット利用が制約される恐れがある」との見方が広がる。憲法学者の反論に加え、世論の反発が政権運営に悪影響することを懸念した政府・自民党は3月、法案の国会提出の断念を決めた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4441文字 / 全文5995文字

【初割・2カ月無料】有料会員の全サービス使い放題…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「SPECIAL REPORT」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。