(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

大企業こそ変革のサンプルに

お2人とも再浮上への「種」と「素材」はまだ残っているとお考えですよね。

三枝:ボロボロになるまで落ちても、最後は日本人が持つ基礎的な優秀性が発揮されると信じています。問題は、それが今から20年、30年先になるかもしれないこと。相当、悲惨な状態にならないと動かないのではないかという思いも抱いています。

 一般論でいうと、大きな組織は動きが鈍く、気づくのも遅い。バブル崩壊と平成の30年が経過してもその認識が薄い現実は、完全に日本全体が「大企業病」に侵されていることの証しでしょう。だからこそ大企業の責任は大きい。例えば、三菱や三井といった企業が「変革のサンプル」になれれば、日本全体が変わるきっかけになります。情報リソースが豊富で、「国際的には決して勝ってはいない」という認識ができるインテリがたくさんいますよね。その企業と人が日本で一番鈍感でいられたら困ります。

小林:私も日本人は優秀だと思っています。強めの表現を使ってきましたが、無論、ここで日本が終わりだとは考えていません。今すべきことは反省で、いかにぬるま湯に漬かってきたかの認識を持つことです。この30年の日本は惨敗、明らかな敗北だったととらえ、その上で戦う意志をみなで共有できれば、再び強い国に向かって歩むことができるのではないでしょうか。

次号に続く)

日経ビジネスは本誌や電子版で「目覚めるニッポン」をテーマに記事を随時掲載し、日本と日本企業の再成長の条件を探っていきます。皆様からのご意見も記事に反映していきます

[議論]平成の30年、日本はグローバル競争で「負けた」?

日経ビジネス2019年7月29日号 48~51ページより目次

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