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元諜報員が企業を“身辺調査”

 T.D.I.が企業から受ける依頼で多いのが、買収候補や取引先候補の“身辺調査”だ。元諜報員が事情を知る人物に近づいたり、資料を読み解いたりして情報を収集・分析し、地元の政官界と癒着していないか、北朝鮮やイランなど制裁対象国と関係がないかなど、企業の内実を解明していく。

 企業買収が完了したり、取引を始めたりしてから発覚すれば、世界規模で不正に目を光らせる米当局などから巨額の制裁金を科せられる恐れがある。

世界で汚職が横行
●腐敗の度合いが著しい国ワースト10
注:トランスペアレンシー・インターナショナル調べ

 米司法省は2018年4月、パナソニックに約2億8060万ドル(約310億円)の罰金を科すと発表した。米子会社が中国の政府関係者に賄賂を渡していたとされたためだ。仮に買収した会社がこのような不正行為に手を染めていれば、火の粉が自分たちに降りかかる。「知らなかった」では済まされない。「事前の調査によって、不正発覚による巨額の損失を回避できる」とレフラ氏。