1990年代、日本の農業は輸入自由化という大きな変化に見舞われた。牛肉・オレンジ、コメ……。米国の再三にわたる圧力にさらされた。政・官・農協は徹底した保護に走ったが、農業を強くしたとは言えない。

 日本の農業にとって1990年代は大きな転換点となった。91年に牛肉・オレンジでそれまで設けられていた輸入枠が撤廃となり、自由化された。93年には、それまで輸入が禁止され、農産物の中でも「聖域」になっていたコメの輸入を一部認めることとなり、99年にはついに牛肉などと同様に関税さえ払えば、自由に輸入できるようになった。動かしたのはいずれも米国の強い圧力だった。

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