サイバー空間の攻防が激化する中で需給が逼迫する人材、ホワイトハッカー。ヘッドハンティングが横行して定着率が低い上、“常識外れ”な人材も多く日本企業になじみにくい。ホワイトハッカーに嫌われる企業と好かれる企業、その分かれ目は何なのか。
山崎祐也さん(仮名)はセキュリティー業界で名の知れた若手技術者だ。小学生の頃から専門誌を読みあさってプログラミングを独学。インターネット上で公開する自作のソフトウエアを悪用されまいとセキュリティー分野の知見を深め、ハッキングの技術も習得した。大学時代には互いのコンピューターに侵入し合うハッカーの競技「キャプチャー・ザ・フラッグ」の国際大会で3位に入賞している。
山崎さんは3年前、大手セキュリティー企業A社に新卒採用された。しかし、配属先はハッキングと関係ないサポートセンター。顧客からの苦情を整理して担当部署に渡す仕事だった。「顧客の声に触れてもらおうという新人育成の狙いがあったのだと思います。でもプログラミングをする機会がないのは退屈でした」と山崎さんは振り返る。
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