全6419文字

2008年度に始まったふるさと納税に6月から法規制が導入される。「地域振興に資する」「返礼品目当てで本末転倒」。その評価は毀誉褒貶(ほうへん)が相半ばしている。制度が独り歩きして生まれた巨大な官製需要はどこに向かうのだろうか。

平戸市が寄付受け入れ額の減少に冷静なのは、市当局と事業者がともに、早くからふるさと納税への過度な依存を戒めてきたこともある(写真=菅 敏一)

「宝くじに当たったようなものだったね」「いい夢を見させてもらった」──。九州西端に位置する長崎県平戸市は、ふるさと納税で2014年度に全国最多となる14億6300万円の寄付金を集めた。返礼品を扱う地元の業者に当時の様子をたずねると、一様にこんな感想が返ってきた。

 自分の選んだ自治体に寄付をすると、自己負担の2000円を超えた金額が上限付きで、所得税や住民税から控除されるふるさと納税は、08年度に始まった。カニや高級和牛といった豪華な返礼品が登場してブームとなり、どこの職場でも利用している人が必ずいるほどに定着している。