18歳未満の年少者が違法に労働させられるケースが日本でも増えている。知らず知らずのうちに加害者企業のレッテルを貼られてしまうことも少なくない。背景にあるのは空前の人手不足と貧困家庭の増加。新たな経営リスクに企業はどう対処すべきなのか。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

 1年ほど前、防げたはずの事故で15歳の少女の命が奪われた。

 都心から電車で1時間。埼玉、栃木との県境に位置し、大手企業の工場が点在する茨城県古河市で事故は起きた。

 2017年12月14日、鋼材の加工や卸を手掛ける中央鋼材(東京・中央)の古河工場で、屋根に設置された太陽光パネルの洗浄作業をしていた秋山祐佳里さん(15歳)が、明かり取りのための天窓の厚さ6mmの金網入りガラスを踏み抜いて転落。13m下のコンクリート床にたたき付けられ、搬送先の病院で外傷性脳障害により亡くなった。

<span class="fontBold">2017年12月、中央鋼材の古河工場(写真上、茨城県古河市)で屋根に設置された太陽光パネルの洗浄作業をしていた15歳の少女が、天窓のガラスを踏み抜き、建屋内の床(写真下)に転落して死亡した。18歳未満には禁止されている「危険有害業務」だった</span>
2017年12月、中央鋼材の古河工場(写真上、茨城県古河市)で屋根に設置された太陽光パネルの洗浄作業をしていた15歳の少女が、天窓のガラスを踏み抜き、建屋内の床(写真下)に転落して死亡した。18歳未満には禁止されている「危険有害業務」だった

 秋山さんを雇っていたのは、地元の太陽光パネル保守点検会社、アジリティだ。作業は3日間で、秋山さんはこの日だけアルバイトとして他の5人の作業員と一緒に働いていた。

 労働基準法では18歳未満の労働者に「危険有害業務」をさせてはならないと規定している。厚生労働省の年少者労働基準規則では、「高さが5m以上の場所で、墜落により労働者が危害を受ける恐れのあるところにおける業務」を危険有害業務としており、アジリティは労基法に抵触する形で、秋山さんを危険な作業に従事させていた。

 古河署では、「業務上過失致死も視野に入れて捜査中のため、事故の詳しい状況は公表できない」としている。ただ、転落を防止する通路や手すりの設置、安全帯の装着といった法令で定められている事故防止の対策も不十分だった可能性が高い。

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