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1970年代は高度成長の終焉で企業にポスト不足の懸念が出てきた。新たに導入した職能資格制度で平等感を演出し、社内競争を継続した。だが、組織の安定感を重視した分、変化への対応力は欠くこととなった。

1974年 11月11日号
「しのび寄る人口構造革命」。本誌はこう題したリポートで、20~30年後に急激な高齢化社会が訪れると警告した。

 昭和シェル石油との経営統合に創業家が反対したことで注目を集めた出光興産。同社には独特の社風がある。「大家族主義」と社内で呼ぶものだ。社員は家族のように助け合い、支え合う共同体であろうというのである。

 1911年6月に創業者・出光佐三が福岡県門司市(現・北九州市)で石油販売業を始めて以来、100年余り。「いったん出光商会に入りたる者は、家内に子供が生まれた気持ちで行きたいのであります」「総ての事柄は親であり子であり、兄であり弟である、という気持ちで解決して行くのであります」。佐三の精神は社内に脈々と生きてきた。