同族経営でも必要なのは素質

「特集 知られざる実像 同族経営」(6/10号)

 ボンクラでも同族の血筋ならば、周りが何とかしてくれるという時代ではない。上場会社で創業家筋の経営者が多いということは、相応の理由があるからに違いない。同族会社の後継候補者は必要な知識や見識を早くから教え込まれるので、サラリーマン社長にはない大局観があるのだと思う。また統率面でも、長年会社を支えた同族に対する社員からのリスペクトもある。もし、これらの優位性を生かせず、逆に公私混同などがあるなら同族でも外されているだろう。

 サントリーホールディングス、小林製薬など多くの会社が創業の家訓を守って成長している。トヨタ自動車はファミリービジネスのスケールではないが、創業者と同じく、お客、社員に対する全ての責任は社長が取ることを豊田章男社長は身をもって示している。米国での大規模リコールの際の対応は、創業の教えがまさに生きたものではないだろうか。

佐藤 浩郎(新潟県、会社相談役、63歳)

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り711文字 / 全文1150文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「往復書簡」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。