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MaaSの実践、地方でこそ

「特集 移動革命 MaaS」(4/29・5/6合併号)

 日本とは物価も給与水準も全く違うため、フィンランドのマース・グローバル社が提供する「ウィム」の月額定額料約6万円の是非は判断できないが、仕組みとサービスはとてもよくできていると感心した。日本では、自動車諸税は国や地方自治体の重要な財源になっている。また、日本の鉄道システムにおける駅は異種モビリティー間の乗り換えを複雑・遠距離化し、時間を浪費させている。

 行政や交通各社が「利益優先・自己都合」ばかり主張している日本では「ウィム」のようなシンプルで便利な仕組みは生まれない気がする。しかし都会よりも危機感がある地方都市なら、日本版「ウィム」を生かせるコンパクトシティーをつくるチャンスがあると感じた。

柿埼 和男(東京都、会社員、56歳)

編集部から

 福岡市ではトヨタ自動車や西日本鉄道がMaaSアプリを使った実証実験を進めています。決済手段の一元化など課題は少なくありませんが、バスや鉄道、シェアサイクルなどをシームレスに利用する手段として、アプリが根付き始めている部分はあるようです。ただ、この取り組みに「自治体はほとんど関わっていない」と西鉄の担当者は話します。おっしゃるように日本で「ウィム」のようなシステムを構築することは簡単ではないのかもしれません。MaaSの取り組みをさらに前進させるためには、行政や様々な業種の企業が垣根を越えて連携した本気度の高い挑戦が求められています。

藤中 潤

日経ビジネス2019年5月27日号 96ページより目次