内部通報を巡って不当な扱いを受けたとして、勤務先のオリンパスを訴えた裁判の記録を東京地裁が廃棄していた。公益通報者保護法の改正にも影響を与えた社会的に意義深い訴訟だとして現在、裁判所に復元を求めている。全国を揺るがせた神戸連続児童殺傷事件の記録なども廃棄されており、最高裁が有識者を集めて対応を協議中だ。

浜田 正晴氏
理不尽すぎるのではないかと叫びたい衝動にかられています。内部通報を巡って私が起こした訴訟の記録が廃棄されました。今の私はある意味「敗軍の将」かもしれません。しかし闘いは終わっていません。裁判所には記録の復元を求めています。この活動は裁判所が多くの重要な訴訟記録を廃棄してきた問題自体の解決にもつながるはずです。

これまでも長い法廷闘争の過程で、私はいったん負けたように見えても、最後には必ず社会的に意義のある勝利を収めてきました。
闘いが始まったのは2007年です。当時、勤務先のオリンパスで上司が取引先から企業秘密を知り得る社員を立て続けに引き抜こうとしていました。そのことを内部通報したところ、その事実が漏れ、怒り狂った上司は私を3度も違法に左遷しました。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1845文字 / 全文2470文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?