意思決定が遅く、全国知事会の後じんを拝していると全国市長会の会長選挙に出馬。組織の変革を求める若手市長らの支持を集めて接戦となったものの及ばず、現職の続投を許した。自身の力不足や準備不足を認める一方、多数決ではない「会長一任」の投票制度に疑問を呈する。

[岡山県総社市長]
片岡聡一氏
1959年岡山県総社市生まれ。84年青山学院大学法学部卒業後、橋本龍太郎事務所に入所。内閣総理大臣公設第一秘書などを経て、2007年から現職。10年に倉敷芸術科学大学客員教授に就任。趣味はピアノの弾き語りと料理。

 5月に全国市長会の会長選挙に出馬したのは、この組織を真の政策集団に変えていきたいと思っていたからです。災害復旧や新型コロナウイルスのワクチン接種、子育てや高齢者問題といったあらゆる対応の矢面に立っているのは基礎自治体の首長です。首長が必死になって頑張り、あるべき制度改革などを全国市長会に伝えても国に思いが通じない。届かない。だから私が会長になって、自分で届けたいと思ったのです。

 例えば、(来年4月1日に設置予定の)こども家庭庁はこうあるべきだという議論は、まず都道府県ごとの市長会で議論する。その2カ月後に地域ごとの支部でまとめてから、全国市長会で判断する。だから遅いんですよね。みんなの意見を聞き、その集約作業を迅速に行い、一定の方針を固めて国に訴える。それが全国市長会としてのあるべき姿です。

国と対峙できていない

 地方6団体の中でも意思決定のスピードは遅いと思います。だから、政策要望などで全国知事会の後じんを拝しています。市長会が国から真の信頼を勝ち得ていないとも感じます。あらゆる施策が都道府県を通してということになりがちですから。ただ、霞が関も市と直接結びつく機会を増やすべきだと思っています。

 新型コロナのワクチン問題では、市長会は国とちゃんと交渉すべきでした。1回目のワクチンをすぐに確保できた自治体と、出遅れた自治体で差が出た。これって変じゃないですか。(全国一律の)安定供給を担保できなかったのは、基礎自治体の首長が集まる市長会が、国と対峙できていなかったからだと思います。

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