川下りのスリルを楽しむラフティング。埼玉県長瀞町で利用が低迷している。知床半島沖の観光船沈没を見た消費者が、水難事故を恐れていることが一因のようだ。新型コロナウイルス禍からの再起をかけた矢先の逆風に、関係者は肩を落とす。

[ファンテック代表]
大沢匡氏
1959年福島県生まれ。元カヌーフリースタイルの選手で、91~94年に日本チャンピオン。98年から長瀞でラフティングツアーを始め、有限会社ファンテックを設立した。2000年代から特にラフティング事業に力を入れてきた。

 ラフティングは大きなゴムボートで川を下るスポーツです。1艇9人乗りなど、家族やグループで楽しむのに最適です。私は長瀞町の中心を流れる荒川区域でツアー会社ファンテックを営み、当社は地元7社を束ねる長瀞ラフティング業者協議会の事務局を務めています。

ラフティングはゴムボートに乗って激流の川を下るスポーツ。
ラフティングはゴムボートに乗って激流の川を下るスポーツ。

 ゴールデンウイーク(GW)の1週間前に当たる4月下旬、予約の電話が鳴り響くのかなと思っていたのですが、思った通りにならず「何かおかしい」と異変を感じました。協議会の各社に聞いてみると、どこも予約がかなり減っていました。ラフティングだけでなく、他の地域のダイビング事業者に聞いてみても、客足は良くない状況。この状況は今になっても続いており、水場のアウトドア事業者は総じて集客に苦しんでいます。

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