ふるさと納税の返礼品ルールに逸脱したとして、町が制度の対象から除外された。寄付額が減少し、2022年度の町の予算は前年度比で4割減となり、大打撃を受けている。「過度な返礼品を送って寄付を集めようとしたわけではない」と主張する。

[宮崎県都農町長]
河野正和氏
1959年都農町生まれ。高鍋高校卒業後、同町役場へ入庁。農林水産課長、地域振興課長などを経て、2007年の町長選に無所属で出馬し初当選。現在4期目。町職員時代は財政に長く携わり、町長就任後は財政改革に取り組んできた。

 2022年1月、国は宮崎県都農町に対し、ふるさと納税制度の対象自治体としての指定を取り消しました。「寄付額の3割以下に」という法律上の決まりを超える返礼品を送っていたという理由です。再指定は最短で2年後になります。

 指定取り消しのきっかけとなった返礼品は、牛肉です。寄付金1万円で「宮崎牛の赤身肉切り落とし計1.5kg以上」としたところ、申し込みが殺到しました。ところがその後、安い仕入れが難しくなり、約1万8000件分で寄付額の3割を超えてしまったのです。6000~8500円程度の牛肉を返礼品として送っていました。

 指定取り消しが決まる前、返礼品を扱っていた事業者は46ありました。多くは今回の牛肉とは無関係ですが、それらの事業者もふるさと納税関連事業ができなくなりました。寄付をしていただいた全国の支援者、町民の皆さん、事業者の方々にご迷惑をおかけし、町政を預かるものとして申し訳なく思っています。

全国5番目の寄付額

 大手仲介サイトと連携し、ふるさと納税に本格的に取り組み始めたのは15年。全国的に知られる都農ワインや畜産加工品の取り扱いを広げると、寄付も年々増え、20年度は全国5番目の約82億円が集まりました。

ふるさと納税の寄付額がなくなり、4割の歳入が減ることになった宮崎県都農町
ふるさと納税の寄付額がなくなり、4割の歳入が減ることになった宮崎県都農町

 今回、寄付がなくなることによって22年度の町の一般会計当初予算額は86億円となり、前年度より43%減りました。寄付金の一部を基金という形で貯蓄して積み立てていた分がありますので、この基金を活用しながら、寄付金の主な使途としてきた子供の医療費無償化といった子育て支援などは続けます。一方、新規事業などは抑えざるを得ません。

 今回この場を借りて、なぜこのようなことが起きたのか。そして、私なりの思いを語りたいと思います。

 都農町は県央地域にあり、太平洋の日向灘と尾鈴連山に囲まれた人口約1万人の小さな町です。少子高齢化で財政が逼迫し、北海道夕張市のように財政破綻するのではないかと危機感を抱いていました。そこで目を付けたのがふるさと納税です。