この記事は日経ビジネス電子版に『参院選出馬の辻元清美氏「厳しい審判に感謝、鎧を脱いで再出発」』(2月16日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月28日号に掲載するものです。
立憲民主党の副代表として臨んだ2021年の衆院選でまさかの敗北を喫した。大阪10区(高槻市、島本町)で日本維新の会の新人に敗れ、比例復活もかなわなかった。現実的リベラルの火を消してはいけない──。雪辱を期し、今夏の参院選に挑む。

辻元清美氏
2021年の敗戦を自分の人生にとって、それから政治活動にとってもプラスにしていきたいと、年が明けてから前向きになっています。敗戦は生まれ変わるチャンスになると思うんです。有権者の皆さんから頂いた厳しい審判に、ありがとうというのが現在の気持ちです。
敗戦は、自分の内なる問題と、所属している政党の問題と、それから日本維新の会が強いという大阪の地域事情の3つが混ぜ合わさった結果だと思っています。
まず内なる問題ですが、やはりおごり。あるいは油断があったのだと思います。初当選から25年間、仕事をしてきたという自負がありました。特定非営利活動促進法(NPO法)や被災者生活再建支援法、男女共同参画社会基本法などをつくって社会を変えてきた、という。ですが、有権者にそれは伝わっておらず、私のイメージは「いつも怒っている人」だったのかもしれません。
政治家として自分を大きく見せなければと、気負っていたところがありました。実績を知ってほしいと、積極的にアピールしたわけですが、私に期待されている政治家像とは乖離(かいり)してしまったように思います。「ちょっと辻元さん、何や、偉そうになっているのと違う」「永田町人間になっているのと違う」と。
私自身も何か「政治人間の鎧(よろい)」を着ていたようなところがあったように思います。その鎧を脱いで、一人の辻元清美に戻って、再スタートしたいと思っています。
強過ぎたメッセージ
立憲民主党の立ち位置もはっきりしませんでした。17年の衆院選の直前に、希望の党立ち上げにまつわる「排除の論理」で弾き出された旧民進党のメンバーが集まって、ボトムアップ型政治の実現を訴えた結党当時はたくさんの票を集めましたが、そこから政治的に成熟しきれなかったところがあったように思います。
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