2021年6月、山口フィナンシャルグループ会長兼CEO(最高経営責任者)を解任された。その後、自身の取締役解任を審議する株主総会開催前に取締役辞任を自ら申し出た。「株主、地元の取引先を混乱させたくなかった」と理由を語る。

[山口フィナンシャルグループ前会長兼CEO]
吉村 猛氏
1960年生まれ。東京大学卒業後、83年山口銀行に入行。2006年山口フィナンシャルグループ(FG)総合企画部長。山口銀常務取締役東京本部長などを歴任し、16年に山口銀頭取、山口FG社長。20年、会長兼CEOに就任。

 私は2021年6月、定時株主総会後の臨時取締役会で、山口FGの会長兼CEOを解任されました。その後も取締役にとどまっていましたが、会社側は私に対して取締役の辞任も勧告しました。さらに、21年12月24日、私の取締役解任を審議する臨時株主総会を開くことになりました。

 解任の根拠となった社内調査結果に納得がいかなかったため、私はその間、記者会見を開くなどして「不当な決定だ。これは一部の取締役が首謀したクーデターだ」と訴え、中立的な第三者委員会による再調査を求めました。ところが、会社側は私の主張を受け入れてくれませんでした。

 そして株主総会開催を翌日に控えた23日午後。「山口FGが混乱している」と動揺が広がっていましたので、それを鎮静化しようと考え、自ら辞任を申し出ました。多くの地元の取引先が私を心配してくれていたので、無念な思いもありましたが、取引先や会社に大きな迷惑をかけることは本意ではありませんでした。

 この行動に対して「株主総会での解任が免れないことが分かったから、逃げたのではないか」「敵前逃亡だ」という見方もありますが、決してそうではありません。議案の賛否状況は知りませんでした。辞任した理由は、私が強く求めていた第三者委による調査が実施されない見通しであるからと、私の主張はメディアを通じて社会に十分伝えられたと考えたためです。もちろん、承服しかねるところもありましたが、山口FG株主の今回の私の動きに対する批判的な声も考慮しました。

 もっとも、これまで間違ったことを言ってきたとは思っていません。考えも変わっていません。ここでこの場を借りて、私の見解を再度お伝えしたいと思います。

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