伊勢うどんの普及に取り組んできた伊勢麺類飲食業組合が2021年12月に解散した。組合は100年近い歴史があり、最盛期には140店が加盟していた。全国にファンが多い名産品だが、店主らの高齢化や後継者不足にあらがえなかった。

[伊勢麺類飲食業組合元組合長]
青木英雄氏
1940年三重県生まれ。伊勢市の倉田山中学校を卒業後、三重県内の料亭などで修行し、父が経営する伊勢うどん店「つたや」へ。85年に戦後で10代目となる伊勢麺類飲食業組合の組合長に就任。
<span class="fontBold">甘いタレにからむ、もちもちの太い麺(下)。約80年続いている青木氏の店「つたや」は営業を続ける</span>
甘いタレにからむ、もちもちの太い麺(下)。約80年続いている青木氏の店「つたや」は営業を続ける

 黒いたまりじょうゆに、どんと盛られたもちもちの太い麺。伊勢うどんはその見た目にびっくりする人も多いのではないでしょうか。麺のかみ応えはあまりなく、ふにゃふにゃですが、なめらかで甘めのタレによくからみます。素朴な味わいで江戸時代より前から土着の農民たちが食べるようになり、その後、伊勢神宮を参拝する旅行者にも愛されるようになりました。

 組合ができた年は定かではありません。組合の規約を定めた古い帳面が私の店に残っており、そこに昭和9年(1934年)と記されていますが、それ以前の大正末期に設立されたようです。目的は飲食店同士で親睦を深め、共存共栄を目指すためでしたが、それは組合が解散するまで変わりませんでした。

次ページ 共存共栄、資金の融通も