北海道の中川町は町内のJR歌内駅について、コストを負担する「自治体管理」をわずか1年で終了。この結果、100年近い歴史を持つ駅の廃止が決まった。人口減少が進む自治体の財政難、地方の公共交通機関の維持の難しさがにじむ。

石垣寿聰氏
北海道の中川町はJR宗谷本線の歌内駅を4月、町が管理する「自治体管理」に移行したばかりですが、2022年3月にこの施策を終了することを決めました。自治体管理を終えるのはJR北海道の管内で初めてです。他に管理の担い手がいないため、歌内駅はこの時点で廃止になります。長い歴史を持つ駅だけに残念な気持ちは確かにありますが、やむを得ないととらえています。


中川町は北海道の北部の山間部に位置しています。人口は林業が盛んだった昭和30~40年代には7400人ほどいたのですが、その後は林業の衰退とともに減少が続いています。現在は建設業や酪農が地域産業の中心であり、人口は1400人ほど。高齢化が進んでいます。
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