昭和の時代から続く浅草の名物商店街が区から立ち退きを迫られている。「店舗が法令違反状況にある」というのが理由だが、店側の見解は大きく異なる。過去の検証を含め話し合いを通じた解決を求めている。

西林宏章氏

東京・浅草の伝法院通り商栄会の32店舗は今、台東区役所から、店舗の立地が道路の不法占有状態にあるという理由で事実上の立ち退きを求められています。しかしながら、私たち自身は、自分たちの店舗の立地が違法だとは認識しておらず、区側の説明に納得できていません。改めて区の関係者や有識者を交えた協議会を立ち上げて、過去の経緯の検証とともに、今後について話し合いによる解決策の検討を求めています。
今の商栄会の32店舗の姿が出来上がったのは昭和52(1977)年です。当時、伝法院前にあった台東区役所を上野駅前に移転して、跡地を浅草公会堂として建て替える計画が持ち上がりました。それまで、商栄会の店舗のあるところには太さ3寸(約9cm)のくいが打たれており、その合間に露天商が並んでいたようです。朝に商売道具を運んできて、夜には片付けて帰るというやり方でした。
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