ベビーシッターとその利用者をネット上でマッチングするプラットフォームを運営するが、シッターによる子どもへのわいせつ事件など、サービス上で不祥事が発覚した。不祥事そのものに加え、情報発信のあり方など反省点は多いと語る。

[キッズライン社長]
経沢香保子氏
1973年千葉県生まれ。97年に慶応義塾大学経済学部を卒業後、リクルートや楽天を経て、2000年にマーケティングなどを手掛けるトレンダーズを創業。12年に東証マザーズ上場を果たす。14年にカラーズ(現キッズライン)を設立。

 キッズラインでは2020年に、ベビーシッターによる利用者の児童へのわいせつ事件が発覚しました。さらに児童福祉法で義務付けられた自治体への届け出を徹底できない状態で、内閣府の補助金の対象となるなど、不祥事を起こしてしまいました。この1年あまり、謝罪とともに一連の問題に向き合い続けてきましたが、総括すると、根本の問題として私自身の、経営者としての「想像力の欠如」があったと反省しています。まずは私がキッズラインを始めた経緯からお話しします。

自らの経験を基に事業化決断

 私には保育園には預けられない、障害を持つ子がいました。仕事との両立のため、たくさんのベビーシッターに保育をお願いしてきました。ただ従来型のサービスは入会金や年会費などの費用もかかり、さらに利用者自身でシッターを選べない場合が多い。ネット上の匿名掲示板でシッターとやりとりし、自ら面接をしたり、試しに保育をしてもらったりして、子の面倒を見てもらう人を選んでいました。

 ただ誰もが同じような手続きを踏めるわけではないし、匿名の相手をネットで探す不安もある。実際、14年にはネット上で依頼されたシッターが預かった子を殺害する事件が起きました。

<span class="fontBold">キッズラインはベビーシッターと保育を依頼したい保護者をマッチングさせるサービス。ベビーシッターはコロナ禍でも需要が急増した</span>
キッズラインはベビーシッターと保育を依頼したい保護者をマッチングさせるサービス。ベビーシッターはコロナ禍でも需要が急増した

 そこで考えたのが、我々がプラットフォーマーとして個人を確認した利用者と、審査をしたシッターを直接つなぐサービスでした。保護者は自分でシッターを選べるし、中間コストを抑えられる分、利用しやすい料金も実現できます。一方、シッター側も働く条件などを自ら決められます。安全性は我々が担保しようと考えたわけです。

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