この記事は日経ビジネス電子版に『「飲食店に『売れません』とは言えなかった」酒販業界団体会長』(7月27日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月2日号に掲載するものです。

酒類販売業者に対し、休業要請に応じない飲食店への酒類提供禁止を政府が要請。「取引先との信頼関係を損なう」と抗議し、その後、政府が要望を撤回する騒ぎに。「科学的知見に基づくお酒を楽しむためのルール作りを」と訴える。

[全国小売酒販組合中央会会長]
吉田精孝氏
1951年生まれ。日本大学商学部卒業後、家業の伊勢屋入社。3代目社長となり、現在は同社会長。2002年4月東京小売酒販組合・東京味噌醤油商業協同組合理事、20年5月東京酒販協同組合連合会理事長。20年6月から現職。

 政府は7月8日、緊急事態宣言の対象地域で営業している酒類販売業者に対し、休業要請に応じない飲食店との取引を停止するように求めました。

 これは到底応じられない話だと思い、翌9日に酒類販売業者の業界団体として「長年培った取引先との信頼関係が壊れてしまう」と抗議しました。その後、政府は同13日、我々の抗議を受けて「関係者を混乱させた」としてこの要請を撤回しました。この対応に、まずは安堵しています。

 ただ、一連の騒動については、私たちが突然、悪者にされたようにも感じています。また、政府の撤回をもって問題は沈静したように見えますが、現場ではまだ混乱が続いています。疑心暗鬼に陥った取引先から「『酒を販売しないなら、他で買うからもういい』と言われた」という声も組合員からは上がっています。

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