4月の名古屋市長選で35万票余りを集めて、知名度に勝る河村たかし市長に肉薄した。河村氏の対決型の政治手法を厳しく批判し、市政刷新を訴えたが、一歩及ばなかった。国や県と連携した産業政策が名古屋市には必要だと改めて強調する。

横井利明氏
幅広い支持を頂きながら、勝ちきれなかったのはひとえに私の責任です。「35万票も取ったのだから」と労ってくれる方もいますが、選挙には勝ちか負けしかありません。過去12年間停滞していた市政を正常化させ、名古屋を日本のトップランナーにまで持っていきたいという思いを実現できませんでした。有権者の皆さんに対する責任を果たせなかったことを非常に悔しく思っています。


今回の選挙を通じて、改めて現職の壁の厚さを痛感しました。1期4年間、3期なら12年間、毎日のようにテレビや新聞に顔や名前が出るわけです。名古屋といったら河村たかし、愛知といったら大村秀章。一方の私はといえば、市議会で目立った発言をして、メディアに取り上げられたことも何度かありましたが、やはり「名古屋の横井利明」とはならない。
国政選挙となれば、政党の支持率による浮き沈みもありますが、地方自治体トップを選ぶ首長選挙ではそうした要素も薄い。しかも選挙戦はたった2週間です。選挙対策事務局長のような立場で過去の市長選にも関わってきましたが、当事者になってみて、現職に挑む戦いの困難さを思い知りました。
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