高齢者の遠隔見守りサービスを手掛けていたが、5月、破産手続きの開始決定を受けた。最新デジタル技術を使い、新たな在宅福祉のモデルを築こうとしたが、融資返済に行き詰まった。創業者は今後、新たなフィールドで再起を図る。

[ワーコン元代表取締役]
青木比登美氏
福岡市出身。1966年9月生まれ。九州大学医療技術短期大学部看護学科卒業後、九州大学医学部附属病院に勤務。市内の透析・内科クリニックの看護部長などを経て、2016年7月に同社を設立。

 「家族と医師、看護師をつなげ高齢者が安心して在宅医療を受けられるサービスを──」という理念を掲げて2016年、ワーコンを起業しましたが残念ながら会社存続を断念しました。

 直接の原因は高齢者の遠隔見守りサービスを一緒に手掛けようとしていた1社から借りたお金を返済できなかったことです。

 融資契約に至るまでの過程や、なぜ、融資を受けることになったのかなど本当は詳細を説明したいのですが、破産手続き中のため、ここではそれができません。

 このため事実関係だけを説明しますと、支援会社からの出資を切り替える形で19年に1億5000万円の融資を受けました。必死に返済しようと東奔西走しましたが、相手が待ってくれず、20年の12月1日に同社から破産手続き申立書が福岡地裁に提出されてしまいました。

 私にその連絡が来たのが1月27日。2月に業務停止命令が出る可能性を取引先に伝えました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2003文字 / 全文2622文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。