地理的表示(GI)保護制度で、「八丁味噌」の発祥の会社が窮地に追い込まれた。農林水産省は3月、愛知県全域の協同組合の製品を対象にすると裁決した。伝統製法にこだわる老舗2社は組合員ではなく、八丁味噌と名乗れなくなるリスクがある。

[まるや八丁味噌社長]
浅井信太郎氏
1949年生まれ。78年に同社入社、2004年から現職。約50年前から欧州市場を開拓し、各国の取引先からミスター・ハッチョウとして知られる。海外の認証機関から認定された有機味噌も作り、地道に販路を築いてきた。
八丁味噌の製法が確立されたのは江戸時代。岡崎で続けてきた伝統製法では、2年以上の熟成期間が必要になる

 私たちは50年かけて外国の販路を切り開き、こつこつと信頼関係を築いてきました。それなのに国によって大きく道を塞がれるのは無念、残念としか言いようがありません。

 GIは現在のところ、欧州連合(EU)で日本産品の名称を知的財産として守ってもらう仕組みです。ところが八丁味噌は文化や伝統よりも、生産効率を重視した製法によって登録されてしまいました。これを受け入れることは到底できません。

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