国内で唯一、車で波打ち際を走れる千里浜なぎさドライブウエーが浸食で通行止めに。観光客が減少し、隣接する「道の駅のと千里浜」の売り上げも減った。「千里浜は県の貴重な観光資源。万全な対策を講じてほしい」と訴える。

[道の駅のと千里浜駅長]
野間 仁氏
1956年生まれ。79年明治大学経営学部を卒業後、東芝へ。広告業務などに従事。東芝グループ会社の課長などを歴任し、2014年に退職。金沢市への駐在経験から移住し、17年から現職。横浜市出身。

 私が駅長を務める、能登半島にある「道の駅のと千里浜」(石川県羽咋市)は日本で唯一、車で波打ち際を走れる「千里浜なぎさドライブウエー」に隣接しています。しかし2017年7月の開業から4年目にして思わぬ事態に巻き込まれてしまいました。肝心のドライブウエーが昨年12月から125日間、車が走れなくなってしまったのです。

 海からの強風による高潮や、地球温暖化による海面上昇などの影響を受け、全長約8kmのほぼ中間点に位置する約600mの区間で浸食が進み、砂浜の幅が狭まったことが原因です。コロナ禍の影響を受けて来店客は減っていましたが、通行止めとなったことで、減少に拍車がかかりました。今は前年から比べて2割前後減っています。

隣接するドライブウエーの浸食によって、県外来店客が減少している

 浸食の問題は波のうねりが高くなる冬場に毎年話題にはなるのですが、通行止めの期間がこれほど長く続くほどの被害は経験したことがありません。

国内唯一のドライブウエー

(写真=共同通信)

 北陸の日本海に面する千里浜は、砂の大きさが、通常の砂浜では0.5~1mmなのに対し、約0.25mmと非常に細かいのが特徴です。砂1粒の大きさもそろっていてムラもないため、海水などの水分が混ざると非常に固くなります。このため、普通の道路のように4WDだけでなく、普通車やバイクもこの海岸を走ることができるのです。世界でもまれな天然のドライブウエーとして、多くの人に親しまれてきました。

 この場所に小さな砂が運ばれる理由については、県内を流れる手取川など複数の河川から海へ流れ出た砂が、沖からの風や海流などで押し戻され、その過程で砂が細かく削られ、堆積するからだといわれています。

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