人口の6倍以上を集客する町最大イベントがコロナ禍で中止となった。12万個のカキが売り先を失い、町は養殖業者や飲食店に向けていろいろな手を打つ。その矢先、先頭に立つ町長が新型コロナウイルスに感染して約3カ月入院となった。

(写真=山岸 政仁)
(写真=山岸 政仁)
[石川県穴水町長]
石川宣雄氏
1942年石川県穴水町生まれ。地元の食品スーパー経営などを経て2006年に同町長に初当選。現在、4期目を務める。1月に新型コロナウイルスの感染が判明。約3カ月の入院を経て3月末に復帰。

 石川県穴水町の人気イベント「雪中ジャンボかきまつり」がコロナ禍のため今年は中止となりました。町内などで取れる約12万個のカキを販売する大規模イベントの中止はたいへん残念ですが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにはやむを得ない判断だったと思います。私自身も新型コロナウイルスに感染して1月から3月まで入院しました。改めてこの感染症の怖さを知り、今後はコロナ対策をいっそう徹底する必要があると感じています。

養殖業者は大半が兼業

 穴水町は能登半島の中央付近にあり、農林水産業が主な産業となっています。「まいもん(=おいしいもの)の里づくり」を掲げ、食の集積地を目指しています。カキもその1つで、町のある七尾湾周辺は日本海側で有数のカキの産地です。

<span class="fontBold">穴水町はカキの養殖がさかんで、七尾湾は日本海側有数のカキの産地</span>(写真=山岸 政仁)
穴水町はカキの養殖がさかんで、七尾湾は日本海側有数のカキの産地(写真=山岸 政仁)

 カキは、地域の様々なサステナブルな取り組みの一環も担っています。町内にはワインの醸造所があるのですが、ワインに使うブドウの栽培には、風にさらして塩分を抜いたカキの殻を粉末にして畑に入れます。こうすることで栄養分になるし、水はけのよい土壌にもなります。

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