2020年は、ユネスコの無形文化遺産に登録の秋田県男鹿市のナマハゲも中止が相次いだ。地元にとって「生活の一部」ともいわれる行事だけに中止は「苦渋の決断」。関係者はコロナ後も見据えながら、伝統をどう引き継いでいくかを模索する。

武田泰明氏
私の所属する秋田県男鹿市の芦沢振興会は、コロナ禍を受けて2020年の大みそか、伝統行事のナマハゲを中止しました。ナマハゲは地元にとって生活の一部であり、何とかして実施したかったのですが、感染拡大のリスクが完全には消せない以上、20年は無理だと判断しました。

ナマハゲは毎年12月31日の夜、お面と「ケデ」というわら製の衣装を身につけ「泣く子はいねがー」といった言葉を大声で叫びながら、地域の家を回ります。全国的に知られ、1978年に国の重要無形民俗文化財に指定。2018年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に男鹿のナマハゲなど8県10行事が「来訪神:仮面・仮装の神々」として登録されました。
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