国の観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止の影響で、再び苦境に陥っている。コロナ禍以降、インバウンド需要の激減で消えた活気を、取り戻しつつあった直後の出来事。「何をどうすればいいか分からない」状況まで追い込まれている。

[札幌二条魚町商業協同組合理事長]
佐々木一夫氏
1951年福岡県生まれ。高校時代に旅行したのがきっかけになり、北海道が気に入り卒業後に札幌市で就職。魚市場などで働き、約40年前に宮田商店の経営者の娘との結婚を機に入社。その後、経営を引き継いだ。
<span class="fontBold">札幌の二条市場はGo Toトラベルの一時停止によって、人影がまばらになった</span>(写真=船戸 俊一)
札幌の二条市場はGo Toトラベルの一時停止によって、人影がまばらになった(写真=船戸 俊一)

 少しずつにぎわいを取り戻しつつあった札幌市の中心部、二条市場が再び、人通りがまばらな状況に戻ってしまいました。2020年12月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、札幌市が、大阪市と並んで国の観光支援事業「Go To トラベル」の対象地域から外れた影響が早くも出た格好です。その後、Go To トラベルは全国一斉で停止となり、年が明けてからは先が全く見えない状況になってしまいました。

 二条市場は明治時代に開設された市場であり、100年以上の長い歴史を持っています。多くの人が訪れる大通公園や歓楽街として全国的にも知られるすすきのからも近く、札幌の街のど真ん中といっていいところにあります。

 古くからの店も多く、北海道の新鮮な食材を扱う店や飲食店がそろっています。カニなどの水産品や干物などを扱う店のほか、メロンやジャガイモなどの果物や野菜を扱う店もあり、「北海道の旬の味」を楽しめる場所として発展してまいりました。

復活したバブル期の活気

 私は市場にある24店が加入している札幌二条魚町商業協同組合の理事長を務めています。福岡県出身の私は高校を卒業後に北海道に来て魚市場などで働いた後、40年ほど前に結婚を機に二条市場にある宮田商店に入りました。

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