2020年9月のダイヤ改正を機に、車両が不足しているとの報道が流れた。車両譲渡の申し出も寄せられたが、コスト面などで現状の体制を維持することに。騒動が起きたいきさつを、会社の現状と合わせて振り返る。

[北条鉄道副社長]
佐伯武彦氏
1937年兵庫県加西市生まれ。61年兵庫県立姫路工業大学(現兵庫県立大)卒業、川崎重工業入社。副社長などを歴任し、2008年退職。11年第三セクターの北条鉄道へ。北条鉄道社長は加西市長。

 2020年9月、「北条鉄道が車両が足りず困っている」との報道がいろいろなメディアで流れました。鉄道会社が車両不足などと聞くと、経営危機や安全性への影響を連想された方もいたかもしれませんが、そうした事実はございません。関係者の皆様には結果として余計な心配をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

 一方で、経営環境がそれなりに厳しいことも確かですので、この場を借りて「車両不足騒動」が大きくなってしまったいきさつと、会社の現状をお話しさせていただきます。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2049文字 / 全文2501文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。