災害で運休が続いていたJR日高線の一部区間が廃止の方向となった。JR北海道は廃止区間について今後、バス路線に転換する見込みだ。地域の足となり、観光人気も高かった路線が姿を消す。

村井直美氏
2015年の高波被害から運休が続いているJR日高線の鵡川(北海道むかわ町)から様似(同様似町)の区間について、地域の7町長の集まりである日高町村会は、21年3⽉にも廃⽌してバス路線に転換する方向でJR北海道と合意する⽅針を8月に決めました。実質的にこの区間の鉄道の廃止が決まり、地域に住み、「JR日高線を守る会」代表幹事として活動してきた私は、今回の決定を大変残念に受け止めています。
住民の足、観光の魅力も高い
日高線は、北海道中南部の苫小牧(同苫小牧市)と様似を結ぶ146.5kmの長大な路線であり、地域の住民にとって大切な足となってきました。先人たちが苦労してつくり上げた路線であり、地域の人たちのたくさんの思いを乗せて走っており、地域のつながりになってきたと思います。
観光面でも日高線の魅力は高く、周辺にはサラブレッドを飼育する牧場が多数あるほか、昆布の干し場やアポイ岳ジオパークがあります。オーシャンビューが広がるところが多く、風光明媚(めいび)な路線として全国的にも人気があります。コロナ禍が収まりインバウンド(訪日客)が戻ってきた際には、重要な観光資源になるはずです。
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