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災害で運休が続いていたJR日高線の一部区間が廃止の方向となった。JR北海道は廃止区間について今後、バス路線に転換する見込みだ。地域の足となり、観光人気も高かった路線が姿を消す。

[JR日高線を守る会代表幹事]
村井直美氏
1969年北海道生まれ。北海道大学法学部卒。15年ほど前からJR日高線の走る地域に住む。住民として日高線の一部区間を廃止する動きに危機感を持ち、2015年から「JR日高線を守る会」の代表幹事を務めてきた。(写真=船戸 俊一)

 2015年の高波被害から運休が続いているJR日高線の鵡川(北海道むかわ町)から様似(同様似町)の区間について、地域の7町長の集まりである日高町村会は、21年3⽉にも廃⽌してバス路線に転換する方向でJR北海道と合意する⽅針を8月に決めました。実質的にこの区間の鉄道の廃止が決まり、地域に住み、「JR日高線を守る会」代表幹事として活動してきた私は、今回の決定を大変残念に受け止めています。

住民の足、観光の魅力も高い

 日高線は、北海道中南部の苫小牧(同苫小牧市)と様似を結ぶ146.5kmの長大な路線であり、地域の住民にとって大切な足となってきました。先人たちが苦労してつくり上げた路線であり、地域の人たちのたくさんの思いを乗せて走っており、地域のつながりになってきたと思います。

 観光面でも日高線の魅力は高く、周辺にはサラブレッドを飼育する牧場が多数あるほか、昆布の干し場やアポイ岳ジオパークがあります。オーシャンビューが広がるところが多く、風光明媚(めいび)な路線として全国的にも人気があります。コロナ禍が収まりインバウンド(訪日客)が戻ってきた際には、重要な観光資源になるはずです。