三重県が地元生産者に対し、神事に不可欠な「精麻」の県外出荷向けの大麻栽培を認めない決定を出した。生産者側は決定を不服として、3月に三重県に再審査請求を出した。「県内の需要量だけでは生計が立てられない」と訴えている。

[伊勢麻共同代表]
松本 信吾 氏
1975年三重県伊勢市生まれ。専修大学経営学部卒業。2000年、祖父が創業した、塗料や工業薬品などを販売する松本薬品に入社、13年から社長。三重ニュービジネス協議会で精麻生産を提案、18年から伊勢麻共同代表。

 三重県は2019年12月、大麻を加工して作る伝統農産品「精麻」の生産を手掛ける農業法人伊勢麻(三重県南伊勢町)に対し、県外神社向けの大麻の栽培を認めない決定を出しました。

 このままでは生産者は生計を立てられず、今回の決定が前例となって他県も倣うことになれば、危機的な状況にある日本の精麻生産を途絶えさせる結果につながりかねません。決定は到底受け入れられず、20年3月、三重県に対し「再審査請求」を出しました。

 縄文土器の模様に麻の縄で付けられたものがあるように、日本人は太古から麻を生活素材として利用してきました。日本では古来、麻と言えば「大麻草」のことを指します。精麻とは、その大麻草の茎の表皮を剥ぎ加工した繊維で、祓(はら)い具や玉串などに用いられ、神社祭祀(さいし)に不可欠なものとして神社仏閣で使われてきました。

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