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神奈川県庁の個人情報を保存したハードディスクドライブを社員が転売。元従業員が逮捕・起訴され、情報管理体制の不備が指摘された。出入り時の金属探知機検査など再発防止策を強化し、信頼回復を急ぐ。

[ブロードリンク社長]
榊 彰一 氏
1971年、大阪市生まれ。94年、神戸大学農学部を卒業し、朝日生命保険入社。法人営業を担当し、トップ営業マンに。2000年、イーリンクシステムズ(現ブロードリンク)を設立し、独立。中古パソコン販売などで事業規模を拡大した。

 2019年12月に、神奈川県庁が使っていた、住民の住所など個人データを保存したハードディスクドライブ(HDD)を、元従業員(既に懲戒解雇)がインターネットオークションサイトで転売していた事件が発覚しました。

 既に逮捕・起訴された元従業員は、今回のHDD以外にも約7800台の様々な事務機器を転売していたことが判明しています。そのうち個人情報データなどを記憶できる機器は3904個ありました。その詳細は調査中です。

 今回、データが外部に流出した原因の一つに、我々の管理体制の甘さがあることは否めません。世間をお騒がせさせてしまい、反省しています。厳密に言えば、私たちは法的に被害者かもしれませんが、社会的には加害者です。二度とこのようなことが起きないように管理体制を強化します。

 ブロードリンクは、情報機器リユース会社として使用済みパソコンの買い取りや、HDDの廃棄などを請け負い、成長しました。年間100万台以上、1000件以上の会社と取引があります。直近5年間は売上高が60億円前後で推移しており、従業員は約190人(20年3月時点)います。業界のリーディングカンパニーとして、時代に先駆けて情報セキュリティーへの意識を向上させなければならない立場です。にもかかわらず、なぜ今回のような事態に陥ったのか。経緯は次のようなものでした。