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九州と離島をつなぐ定期運航便で、機体の整備に不備があり、業務改善の勧告を受けた。整備士が経験をもとに安全と判断したが、直前に欠航が相次いでいたことも背景にあるという。社員のコンプライアンスと安全への意識を徹底するため、組織の引き締めに尽力する。

[オリエンタルエアブリッジ社長]
日野 昭 氏
1955年、東京都生まれ。同志社大学商学部を卒業後、80年に全日本空輸に入社。人事部、営業部などを歩み、2014年にANA殿町ビジネスセンター長。17年から現職。全日空時代は上海と大連に計12年駐在し、中国事情に精通している。

 昨年7月、機体の整備において不適切な対応があったとして、国土交通省大阪航空局から、航空機の運航における安全確保に関する業務改善勧告と、安全統括管理者の職務に関する警告を受けました。お客様や関係する皆様にご迷惑をおかけし、また、航空事業に対する信頼も失墜させてしまいました。心より深くおわびいたします。

 航空会社が最も優先すべきことは、安全性の確保です。九州の離島への空路を担う当社におきましても、安全第一は経営の根幹としてきました。しかし、実際には、安全管理システムが十分に機能せず、安全統括管理者をはじめ従業員の意識も足りていませんでした。こうした事態を招いたことを大変重く受け止めています。

 勧告を受けるに至った原因は、6月の機体整備における不適切な作業でした。エンジンに取り付けている発電機部分で、オイルがにじんでいるのをベテラン整備士が確認したのですが、微量であり直接的な危険が伴うものではないとの判断から、オイルの排出口にキャップをして運航を継続させました。

現場での経験値を過信

 このオイルは、発電機の潤滑とエンジンオイルを兼ねたオイルで、毎日補充しているため、すぐに飛行に支障が出るといったものではありません。

 しかし本来であれば、イレギュラーを見つけた時はすぐに、整備部長も含めて部内で情報を共有する必要があります。整備士の判断による運航継続は、規程に定められてない手順でした。現場での経験値を過信し、自らの判断を優先させたことで、情報の伝達が途絶えてしまいました。

 漏れたオイルはエンジンの外に出る仕組みになっているので、パイロットが航空機の異常に気付く可能性もありました。しかし今回は、キャップをしたため、漏れたオイルが航空機の外部に出なくなり、早期発見する機会を逃してしまいました。

 そして、約1週間後に実施した部品交換でも、規程に基づかない手順で整備作業をしてしまいました。