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日本三景の一つで世界遺産、厳島神社のある広島・宮島の花火大会が2020年の中止を決めた。理由は東京オリンピック・パラリンピックの影響で「例年通りの警備体制がとれない」こと。人手不足などもあり、21年以降どうするのかについても決まっていない。

[宮島観光協会専務理事・事務局長]
上野隆一郎氏

1967年生まれ。近畿大学卒業後、旅行会社に2年勤務後、一般社団法人宮島観光協会へ。現在、同専務理事・事務局長。宮島観光はこのところ成長が続き、年間観光客数は400万人台。欧米からのインバウンド(訪日客)増加が目立つ。

SUMMARY

宮島水中花火大会中止の概要

東京から700kmほど離れた広島・宮島で毎年多くの観光客を集める夏の人気イベント、宮島水中花火大会が2020年の中止を決定した。東京オリンピック・パラリンピックの影響で「例年通りの警備体制が取れない」ことから、同実行員会は安全面で不安があると判断した。21年以降の開催をどうするかについては、今後検討する。

宮島観光協会は宮島のフェリーターミナルにある

 広島県廿日市市で宮島水中花火大会を主催する同実行委員会は2020年の開催を中止することを決めました。東京オリンピック・パラリンピックの期間に近いことから「例年通りの警備体制がとれない」という連絡があり、開催にはリスクがあると判断したためです。

 花火大会を毎年楽しみにしてくれる観光客は数多く、私が専務理事を務めている宮島観光協会でも、旅館の経営などに影響が出そうです。それでも安全上の理由である以上、中止は「致し方がない」と受け止めています。

1年前に中止を決定

 宮島水中花火大会は、世界遺産に登録されている厳島神社の大鳥居の沖合、海上からの打ち上げ花火などが人気を集めており、毎年、多数の観光客でにぎわいます。

 1973年にスタートした当初は地元の人を対象にした夏まつりの花火大会であり、数百発を打ち上げるだけにとどまっていました。それが年とともに次第に規模が拡大していき、最近では毎回5000発ほどの花火を打ち上げています。

 時期はこのところ8月の第4土曜日に開催しています。主催は同実行委員会で、宮島観光協会、地元の各交通機関、廿日市市で構成されています。委員長は観光協会の会長が務めています。